灰色 第八話

「実は今、気になってる人がいるんです。まだ気持ちが決まっていないから誰かは言えないんですけど・・・」
圭人がストローをいじりながら小さな声で言った。

やっぱりな。

女子高生がこういうところで話すことは、「コイバナ」か「ストレス発散」といういわゆる愚痴の
どちらかだと思っているミチルは、その言葉に別段驚かなかった。

「それで、どんな人なの?」
ミチルはいきなり核心をついた質問をして、逆に圭人の目を白黒させた。
現役学生の頃からよくこの手の相談を受けていたせいか、このときのミチルはまさに
恋愛カウンセラーさながらの落着きを払っていた。

「えっと〜、予備校の人なんですけど、まだ話したことがなくて」
「話したことがないのに好きになったってことは、顔が好きってこと?」
「う〜ん、雰囲気ですかね〜」

雰囲気で好きになれるとは若い・・・ミチルは自分のことを思い出して笑いそうになったが、
それはいけないと口を真一文字に結んだ。

「同級生?上級生?それとも後輩?」
「年上です。だからなかなか話しかけられなくて」
「あぁ、英作選抜クラスの人?」
「なぜに分かったんですかっ!?」
「だって高2が上級生と一緒になるのは選抜クラスだけで、しかも圭ちゃんが上級クラスなのは英作だけだし」
「先輩・・・今私のこと軽く馬鹿にしました?」
「いやいや、事実だから言っただけ」

少し焦りながら続けた。

「そっか〜、上級生だったらいきなりは話しかけづらいよね。・・・じゃあとりあえずペンを落とそうか?」
圭人がまるで頭の上に疑問符が浮かんでるような顔をしているので、
ミチルはいつも恋の相談をしてくる女の子にするのと同じように説明を始めた。

「コミュニケーションの基本は?」
「笑顔で相手の目を見て話すことですか?」
「そうそう。それから会って最初にすることは?」
「挨拶です」
「その通り、だからまずは挨拶をするためのきっかけを作らないといけないでしょ?
落としたペンを意中の彼に拾ってもらえれば、まずは『ありがとう』の挨拶ができるよね。
それを次の日から『おはよう』に発展させれば良いってわけ」
「そんなにうまくいきますかね〜」
「圭ちゃんの笑顔があれば大丈夫!」
と、ミチルは勇気づけの意味を込めて圭人の肩をポンと叩き、飲み物と一緒に注文したワッフルを頬張った。

「うまくできるかわからないけど、やってみますっ!」
「その意気その意気。応援してるからね」
「気持ちが決まったら真っ先に先輩に教えますから!」

そう言って圭人もピザトーストをかじった。

その後に予備校の先生のなかで誰がいちばん間抜けか、ということで激論になったということは
絶対に秘密だ。

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おいおい夏バテかよ

タイトル通り、只今夏バテ真っ最中です;

8月初旬からずっと食欲も気力もない状態が続いています↓
最近はアイスが主食になりつつありますです・・・。

お陰様で予備校の夏期講習も半分くらい休む羽目に(涙)
急激な気候の変化についていけない自分の体を恨むしかないか;

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